テスト撮影をしたのは月曜日の午前。
今日、使う「FUJIFILM GFX 50S」はポートレートでは初めて使うカメラです。
初めて会うモデルに初めて使うカメラと言うのも、どうかなと思うところはありますが今までの経験で何とかなるでしょう。
遅刻
モデルは少し遅れて、待ち合わせ場所に来ました。
何年、カメラマンをやっていても初めて会う時って緊張します。
ましてや、今回はヘアメークもスタイリストもアシスタントもいません。
ボクとモデルの二人だけ。
初めて、会った印象はTwitterで見た写真の通りだなというもの。
少し話してみると、ちょっと冷たく距離感のある感じがしました。
撮影スタート
撮影予定時間は2時間程度。
あっという間に時間が経ってしまうので撮影を始めることにしました。
今日はまったく、ノープランで歩きながら良さげな場所があれば撮影するというもの。
ちょっと、ハードルが高いですが、こういう撮影は瞬発力をつける良い練習になります。
まず、ファーストカットは、おしゃれなお店があったので、その前での撮影。
撮影しながら、やっぱり距離感があるなと感じました。
撮影データをプレビューすると、いつものTwitterにアップされている表情です。
まあ、そういうことかと思いましたが、無理をして距離をつめる必要もありません。
この距離感を楽しみながら撮影をすることにしました。
変化
1時間ほど撮影をして、ドリンク休憩。
同じような表情の写真を撮っていても仕方ないので少し歩きながら、話してみることにしました。
撮影のことやちょっとプライベートなこと。
話していくうちに距離感が縮まるのを感じました。
しばらく、歩くと良さそうな背景があったので再び撮影。
ファインダーをのぞいた瞬間に表情が違うことに気づきました。
ファインダー越しに気持ちが伝わってきます。
最初のカットから考えると、こんな表情ができるとは意外でした。
良い感じ。
写真集
写真集の話をすると興味がありそうな感じでした。
でも、現場で話していることは実現しないことも多いです。
だけど、「写真集」をキーワードに次に繋がればいいかなと思っています。
もちろん、ボクが撮った写真を見て、気に入らないということもあるし。
ガラス越し
撮影も終盤にさしかかってきて大きな駅に着きました。
喧騒のど真ん中で思いついたことがありました。
あえて、ボクの声が届かない場所で撮影したら、どんな表情をするんだろう。
最初はコンコースで撮ろうと思いましたが、警備の人がすぐに来そうだったので諦めました。
周りを見回すとガラスの扉を発見。
ガラス越しに撮影することにしました。
本当に声が届かない。
モデルはいつ撮影しているのか全くわかっていないと思います。
ボクが表情を見ながら、シャッターをきる。
彼女の写真では、見たことのない表情でした。
ちょっと不安げな雰囲気。
ボク的にはかなり好きな感じです。
おわりに
「FUJIFILM GFX 50S」はセンサーのサイズが35mmフルサイズより大きいです。
普通ならボディーも大きく重くなりますが、ミラーレスということもあり、ボディーサイズはそれほどでもないです。
スナップでも充分に対応できるサイズだと感じました。
画素数は5,000万画素程度ですが、センサーが大きいメリットは計り知れません。
肌のハイライトからシャドーまでの調子の描写がすごく良いです。
このカメラを使うと他のカメラは使いたくなくなります。
問題はレンズ選択の幅が狭まることです。
オールドレンズも特徴のあるレンズも35mmカメラ用だとイメージサークルが小さいので周辺がケラレてしまいます。
雰囲気が出る可能性もありますが、制約がでます。
実際にポートレートで使ってみた感想は瞳AFはとても使いやすいのですが、合わせたい瞳じゃない方にあったりすることがありました。
奥の瞳に合わせることは、あまりないので手前の瞳にピントが合う、セッティングなら良いのになと思いました。
背面のレバーで変えることができるらしいですが、今回はそこまで使いこなしていません。
使いこなしたとしてもワンテンポ、シャッタータイミングが遅れると思います。
今回は標準レンズを使ったのですが、もう一歩寄りきれないという印象を持ちました。
最短撮影距離は50cmですが、レンズの画角を考えると、もう10cm寄りたいです。
それがクリアできたら、もう最強ポートレートカメラだと思います。
次は撮影なのか、写真集の打ち合わせなのか、もう会う機会が無いのか、わかりせん。
でも、せっかく繋がった縁なので大事にしていきたいと思います。
もっと、たくさんの被写体と接したいので並行して、別の被写体探しも続けていきます。