オリンパスから「OM-D E-M1X」が発売されました。
人気モデルの「OM-D E-M1X MarkⅡ」をベースに性能を向上。
マイクロフォーサーズという規格の中で異端児な存在になりそうです。
「E-M1X」は「E-M1X MarkⅡ」からココが進化した!
OM-D E-M1X | OM-D E-M1 MarkⅡ | |
---|---|---|
撮像素子 | 有効画素数:約2037万画素 総画素数:約2177万画素 |
|
縦位置グリップ | 一体型 | HLD-9(別売) |
マルチセレクター | ◯ | NONE |
ファインダー | 液晶:約236万ドット 倍率:約1.48〜1.65倍 |
液晶:約236万ドット 倍率:約1.30〜1.48倍 |
大きさ(mm) | 144.4×146.8×75.4 | 134.1×90.9×68.9 |
重さ | 約997g | 約574g |
画像処理エンジン | TruePicⅧ×2 | TruePicⅧ |
シャッター耐久 | 40万回 | 20万回 |
AFカスタマイズ | ◯ | NONE |
カスタムAFターゲットモード | ◯ | NONE |
インテリジェント被写体認識AF | ◯ | NONE |
手持ちハイレゾショット | ◯ | NONE |
フリッカーレス撮影 | ◯ | NONE |
ライブND | ◯ | NONE |
カードスロット | デュアルスロット(UHS-Ⅱ対応) | シングルスロット |
手ブレ補正 | 7.5段(焦点距離100mm) | 5.5段(焦点距離40mm) |
撮影可能枚数 | 約870枚 | 約440枚 |
縦位置グリップ
OM-Dシリーズというとマイクロフォーサーズの小型・軽量なシステムという印象が有りました。
しかし、「OM-D E-M1X」は縦位置グリップ一体型。
操作性やホールディング性を重要視したことにより、大きさも重さも本格的なカメラとなりました。
マルチセレクター
カメラ背面部にジョイスティック型のマルチセレクターを新採用しました。
マルチセレクターを操作することでファインダーから目を離さずにAFフレームのコントロールが可能に。
他メーカーのカメラでは採用されていた便利な機能なので大きな進化です。
ファインダー
非球面レンズや高屈折率ガラスを使った4枚構成の光学系を新たに採用。
そのことにより、ファインダー倍率、最高0.83倍(35mm判換算)を実現しています。
最高フレームレート120fps(プログレッシブ形式)、最短表示タイムラグ0.005秒の高速化も達成。
動きの速い被写体も滑らかに表示することが可能に。
さらに、画像処理エンジンを2基搭載したことで階調を滑らかに表示できるようになりました。
画像処理エンジン
画像処理エンジン「TruePic Ⅷ」を1基から2基に増やすことで起動時間やスリープ復帰時間の短縮、ダブルスロット両方のUHS-II対応などの性能が向上。
さらに新機能のインテリジェント被写体認識AFや手持ちハイレゾショット、ライブNDを実現することができました。
もちろん、画質向上にも大きく貢献しています。
シャッター耐久
新しい高耐久シャッターユニットを搭載することにより、シャッター耐久回数を20万回から40万回へ倍増させました。
AFカスタマイズ
横位置・縦位置それぞれでAFターゲットモード/AFエリア位置を設定することが可能。
フォーカスリングを回すことでMFに切り替えて使うこともできます。
カスタムAFターゲットモード
従来のAFターゲットモードでは6種類のターゲットモードが設定されていました。
それに加え、フォトグラファーがAFエリアを自由に配置できるカスタムAFターゲットモードを新たに搭載。
AFエリアは縦11点・横11点から設定できます。
インテリジェント被写体認識AF
自動車のドライバー・飛行機のコクピット・鉄道の運転席などをディープラーニング技術を活用して自動で検出します。
そして、最適なポイントにフォーカスし、追尾。
動いていても、リアルタイムでピントを外さずに追い続けます。
手持ちハイレゾショット
16枚の撮影を行う間に発生した、わずかな位置ズレを利用して、50M相当の高解像写真を生成。
撮影は瞬時に終了するが、当然ながら大きく動く被写体は合成がうまく行われないので注意が必要です。
フリッカーレス撮影
人工照明下の明滅周期をカメラが検出しシャッターが切れるように制御します。
そのことにより、コマとコマの間の露出ムラや色ムラを抑制。
屋内撮影時に効果が高いです。
ライブND
複数の画像を合成することで、減光効果を得ることができる機能です。
効果の段数はND2(1段分)~ND32(5段分)の5段階から選択可能。
ブレ具合はライブビューで確認できるので、失敗なく撮影できます。
ただ、最高シャッター速度の上限が1/30になるので、明るい環境で絞りを開ける目的では使用できません。
この機能を使う際には、シャッター速度が遅くなる為、三脚が必要です。
UHS-Ⅱ対応ダブルスロット
画像処理エンジン「TruePic Ⅷ」を1基から2基に増やすことで、2つのスロット両方でUHS-Ⅱ規格の対応が可能になりました。
手ブレ補正
新開発のジャイロセンサーを搭載することにより、大幅な手ブレ補正効果を実現。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」との組み合わせで最高約7.5段、ボディー単体では最高約7.0段の補正効果。
焦点距離50mmのレンズの場合、誰でも理論上、1秒のスローシャッターでも手ブレが発生しません。
「OM-D E-M1X」の主な仕様
形式 | マイクロフォーサーズ規格準拠レンズ交換式カメラ |
記録媒体 | SD / SDHC/ SDXCメモリーカード |
撮像画面サイズ | 17.4 mm × 13.0 mm |
撮像センサーサイズ | 4/3型Live MOS センサー |
画素数 | カメラ部有効画素数 約2037万画素/総画素数 約2177万画素 |
記録画像形式 | RAW(12bitロスレス圧縮)、JPEG、RAW+JPEG |
記録画像サイズ | [RAW]5184 × 3888 [JPEG]5184 × 3888 ~ 1024 × 768 |
手ぶれ補正 | ボディー内手ぶれ補正(撮像センサーシフト式5軸手ぶれ補正) |
ファインダー | 約236万ドット |
視野率/倍率 | 約100%/約1.48倍~約1.65倍(50mmレンズ・∞・-1m-1) |
モニター形式 | 3.0型2軸可動式液晶、約104万ドット(3:2)、静電容量方式タッチパネル |
AF検出輝度範囲 | EV -3.5~20(S-AF、ISO100相当、F2.8レンズ使用時) |
AF測距点/測距点モード | 121点(クロスタイプ位相差AF)、121点(コントラストAF) |
測光方式 | 324分割デジタルESP測光、中央部重点平均測光、スポット測光、スポット測光ハイライト/シャドウ |
測光範囲 | EV -2-20(ISO100相当、F2.8レンズ使用) |
感度 | LOW(約64相当、100相当)、200-25600 |
連続撮影速度 | 連写H:約15コマ/秒(10~15コマ/秒に設定可) 連写L:約10コマ/秒(1~10コマ/秒に設定可) 低振動連写L:約8.5コマ/秒(1~8コマ/秒に設定可) 静音連写H:約60コマ/秒(15、20、30、60コマ/秒に設定可) 静音連写L:約18コマ/秒(1~10、15、18コマ/秒に設定可) プロキャプチャー連写H:約60コマ/秒(15、20、30、60コマ/秒に設定可) プロキャプチャー連写L:約18コマ/秒(10、15、18コマ/秒に設定可) |
撮影可能コマ数 | 約870枚(BLH-1 2個使用) |
大きさ | 144.4mm(W) × 146.8mm(H) × 75.4mm(D) |
質量 | 約997g(バッテリーとメモリーカードを含む) 約849g(本体のみ) |
まとめ
「E-M1X」と「E-M1X MarkⅡ」を並べると大きさの違いは歴然。
「E-M1X MarkⅡ」に縦位置グリップをつけても「E-M1X」の方がひと回り大きいサイズです。
今まで「OM-Dシリーズ」を使っていた人に、このサイズアップを受け入れられるかは微妙な感じ。
その上、「E-M1X」では新たに操作系も変更されたので、従来のユーザーには馴染みにくいはずです。
となると、「E-M1X」は、どのようなターゲットを狙っているのでしょうか。
大きくなったとはいえ、フルサイズのカメラなどに比べれば、まだコンパクトです。
そして、「E-M1X」は特徴的な機能やマイクロフォーサーズならではの超望遠を実現できるポテンシャルがあります。
それらを考えると他メーカーからの乗換を狙っているのではないかと思います。
万人向けではありませんが、必要な人には、とても魅力的なカメラではないでしょうか。
つまり、「E-M1X」でしか実現できない事がある人は、間違いなく選ぶことになります。
それくらい、尖ったカメラだということです。