【リバーサル】フィルムカメラ好きな人集合。昔の写真フィルム知ってますか?

ポジフィルムで撮影した女子高生 Review

アナログカメラ好きな人でもリバーサルフィルムを使っている人はほとんどいませんよね。

当たり前だけど、普通はプリント目的なので使うフィルムはカラーネガやモノクロネガ。


その上、デジタルカメラが普及するにつれて、フィルムは姿を消していったのでリバーサルフィルムを売っている店も本当に少なくなりましたね。

そんな中、コダックが2018年にリバーサルフィルムを再開するというニュース。

それを聞いた瞬間、カメラマンアシスタントやカメラマンになりたての頃を不意に思い出しました。

あの頃はデジタルカメラとアナログカメラが併用されていて、まだまだリバーサルフィルムも第一線でした。


そうそう、リバーサルフィルムって被写体によってを使い分けていたんですよ。

メーカーやそれぞれのフィルムには特徴があって、それを仕事に合わせて上手に選ぶこともカメラマンにとって大事なことだったんですよね。

今日は、その頃のことを思い出してリバーサルフィルムのことを書いてみようと思います。


リバーサルフィルムって

まずリバーサルフィルムとは何かと言うと簡単に説明すると「現像する時に反転現像をしてポジ画像をえる写真フィルム」のことです。

みなさんがよく使うネガフィルムは現像した後、フィルムをみても何が写っているか全くわからないはずです。

それに対しリバーサルフィルムは写っているものがそのままフィルムで表現されています。


その特徴を活かしてスライドや商業印刷に使われてました。

その代わりプリントには向かないので普通の人は使う事がなかったわけです。


その上、露出を合わせるのが非常に難しいので本当に技術のある人しか使いこなせないですね。

ぼくがリバーサルフィルムで撮影していた時はまだ若かったというのもありますが、その難しさですごく緊張したことを覚えています。


富士フイルムのリバーサルフィルム

フジクローム Velvia【RVP】

ISO感度50のデーライトフィルム。
この感度の低さに何度も泣かされました。
広告撮影だと1絞り違うと結構、死活問題です。
屋外やスタジオ撮影なら良いんですけど室内撮影で絞らないといけない場合なんかは本当にどうしようってなりましたね。

ただ、その低感度がこのフィルムの特徴である、優れた粒状性と鮮鋭度を持っています。
フジクロームの中では最も高い彩度を持っていて、非常に鮮やかな色再現性を持っていました。
その特徴を活かして風景や料理の撮影でよく使いましたよ。
今なら、インスタ映えするフイルムって感じですね。


フジクローム ASTIA【RAP】

このフィルムはISO感度100のデーライトフィルムです。
ぼくはこのフィルムが好きでしたね。

当時、プライベートで使っていたのがCONTAXのRTSⅡでレンズがPlanar T*50mm F1.4という組み合わせでした。
そのカメラにASTIAをつめて、ポートレートを撮るとすごく透明感のある写真が撮れるんですよね。
その雰囲気が大好きでした。

その頃はとても貧乏で、そのカメラしか持っていませんでしたがぼくが撮りたいもので撮れないものは何にも無かったですね。
今でもCONTAXのRTSⅡはまだ大事に防湿庫に保管してます。
たぶん、死ぬまで持っていると思います。
だって、ぼくのフォトグラファー人生の原点ですもんね。

そして、Planar T*50mm F1.4は標準レンズ、最強伝説。
最近ではオールドレンズとか呼ばれてますけど全然現役です。
今度、Canonマウントのアダプターを買って仕事で使おうと思ってます。
AFじゃないとか不便ですけどCanonの50mmより空気感が伝わる写真が撮れますよ。

ちょっと、話がそれましたが、このフィルムの特徴はその透明感につながる優しい肌色の表現力と自然な色再現力です。
柔らかいトーンでポートレートに向いています。


フジクローム PROVIA【RDPⅢ】

このフィルムはISO感度100のデーライトフィルムです。
とても扱いやすいフィルムでニュートラルな色再現性とバランスのとれた階調で使用範囲の広いフィルムですね。
普通の仕事で使うときはPROVIAばっかりでした。
増感にもよく耐えてくれて何度も助けてもらいました。


フジクローム MS100/1000【RMS】

このフィルムはISO100から1000まで増感現像で対応します。
アナログ時代ならではのスペックを持っていますね。

デジタルカメラだったらカメラで設定したら、すぐに感度を変えれちゃいますけどフィルムではそうはいかないんですよ。
35mmなら36枚撮り終わるまで変えられないから、フィルムをつめるときは必死に考えましたね。
でも、このフィルムは露出を3絞りちょっと変える事ができるので撮影の状況に合わせて感度を決める事ができました。

ただデジタルカメラのように途中で簡単には変えれるわけではないですよ。
どうするかというとフィルムを現像するときに切現ということをします。
切現というのはフィルムの途中で切って、それぞれの増感指示に合わせて現像をすることです。
ただ、正確にどのコマか覚えていないといけないし前後の数コマは死んでしまうので現実的には、ほぼ変えるのは無理でしたね。

このフィルムの特徴としては通常、1絞り以上の増感をするとカラーバランスが崩れたり色再現性が著しく落ちるのですが、3絞りちょっと増感しても変化が少ない優秀なフィルムです。
屋外スポーツなどでよく使われました。
フォトグラファーにとっては本当に心強い味方です。


フジクローム 64T TypeⅡ【RTPⅡ】

ISO64のタングステンフィルム。
タングステンライトというライトに色温度などが最適化されています。
タングステンライトというのは暖色系の光をもつ定常光です。
ストロボと違い、定常光は見たまま写るので商品撮影でよく使われます。

ストロボと比べタングステンライトは光が弱い為、長時間露光してもカラーバランスや色再現性が落ちないようになっています。
その上、滑らかなグラデーションを表現できます。
特性として長時間露光に強いので、深い被写界深度が必要な撮影にも使われる事が多かったですね。


コダックのリバーサルフィルム

エクタクローム E100S

ISO感度100のデーライトフィルムです。
フジクロームで言うところのPROVIAにあたります。
エクタクロームはフジクロームと比べると全体的に少し黄色にふってましたね。

このフィルムはナチュラルでニュートラルな色再現性があり、シャープネスが高いため、はっきりとした印象を与えながらナチュラルな表現ができます。
その為、ポートレートによく使われました。


エクタクローム E100VS

ISO感度100のデーライトフィルムです。
フジクロームで言うところのVelviaにあたります。

このフィルムは当時、最高レベルのシャープネス、高い色飽和度を誇っていました。
その為、鮮やかな色の表現に優れていて、Velviaと同じように花の写真などでよく使われていましたね。


エクタクローム EPY

ISO感度64のタングステンフィルムです。
このフィルムは非常に微粒子なのでシャープで解像力が高いという特性を持っていました。

その為、商品撮影を行う広告カメラマンには人気が高かったです。
特にコダワリがある、巨匠ほど使っていたイメージがあります。


まとめ

ぼくはいまだにデジタルカメラの現像設定を考える時は自然とフィルムでイメージしていますね。

ポートレートで人肌を綺麗に表現したいなと思えば、ASTIAの特徴をイメージして設定を決めます。


その設定をざっくり説明すると全体的に少し明るめで特に肌は明るめ、日本人なら特にあまり黄色が強くならないような感じです。

実はもっと繊細な設定をしているのですが、それはぼくの意識の中にあるASTIAをシミュレートして画像を見ながら調整をしているので被写体や背景などで全然、変わっちゃいます。

というわけで、全て説明できないのでざっくりという表現を使いました。


フィルムというのはメーカーが何十年もかけて色を決めてきたものなので、その色にはとても大きな意味があります。

その上、ぼくらはその色を見て育ってきているので記憶色的にイメージが刻み込まれています。


そのイメージに合わせて色を考えることができれば、その色表現は正しいのか間違っているのか直ぐにわかります。

つまり、基準になるということです。

そのことを踏まえて、フィルムの色特性を調べると面白いので、ぜひ知って欲しいですね。


フィルムカメラをこだわって使っている人でリバーサルフィルムを使ったことのない人は一度試して見てください。

フィルムの奥深さと撮影への心づもりを学ぶことができます。


ぼくは昔のフィルムをストックしているので、そろそろ使ってみようかなと思っています。

ただ、使用期限を遥か昔に過ぎているので正しい色は出ませんが、それも時間を感じさせて良いですよね。


新品を買うなら、大好きなASTIAを買いたいのですが残念ながら現行モデルはVelviaとPROVIAだけです。

どうしてなんですかね。

すごく残念です。

それならASTIAに近いコダックのE100Sが発売再開してくれたら使ってみようかな。

でもコダックのフィルムならLaicaのM7を使いたくなっちゃいますね。

Laicaはコダックのフィルムがよく合うんですよ。

理由は調べてみてください(^.^)


リバーサルフィルムで撮影した写真

この写真は、まだカメラアシスタントの頃に撮ったものです。

ぼくにとっては初めて公募展で選ばれた記念すべき写真です。


今、見ると被写体との微妙な距離感がよくでてますね。

意識したものではなく実際のモデルとの距離感なんですけど、それがいい方向にでている写真です。

見ているとその頃のことを思い出してキュンとなりますねー。


写真がスリーブの状態なのでフィルム名がわかりますね。

コダックのEPPです。

なんと今回、書いていないフィルムです。

あんまり、仕事では使わなかったので書きませんでした。


一応、フィルムの特徴を書くとハイライトが柔らかくて白の再現性が高く、淡い色を表現するのが得意です。

この時、このフィルムをなぜ使ったかというと、少し古い感じのなかに透明感を出したかったんですよ。

もちろん、カメラはCONTAXとPlanarの組み合わせ。

狙い通りの写真が撮れたかどうかは、みなさんの判断をお任せします。


写真をみていると時間を超えてその時の気持ちやヒカリ、匂いなんかを一瞬で思い出させてくれます。

そんな時、フォトグラファーになって良かったと思いますね。