今日は、「広告業界のカメラマンアシスタントは、なぜ絶滅危惧種なのか?」という話をします。
コマーシャルカメラマンの集まりで毎回、話題になるのが「うちのアシスタントがやめた or 使えない話」なんですよね。
あっ、言い忘れてましたが、カメラマンアシスタントの人は「本当の想い」だけ読んでください。
きっと、気分が悪くなります。
カメラマンアシスタントの実情
カメラマンアシスタントの定着率って本当に悪いんですよ。
昔から定着率は悪かったけど、最近はさらに悪くなってる感じがします。
確かに「給料が安い、不規則、やることが多い」と条件がそろっちゃってますが、カメラマンになるという目標のためなら努力するというのは古い考えなんでしょうかね?
カメラマンアシスタントになる人も減っているし、定着率も低ければ絶滅危惧種ですよね。
今のままだと絶滅する勢いです。
「カメラマンアシスタント」ネタ集
カメラマンアシスタントの使えない話はネタがつきないのかと思うほど、次から次へと出てきます。
最近、聞いた話をいくつか上げると
アシスタント「持ってこなかったんですか?」
いや、お前の仕事だろ!
アシスタント「メモどおり、組みました!」
微妙にじゃなく、けっこう違うセット
カメラマン「絞りを変えずに、アンダーとオーバーも撮るよ」
アシスタント「わかりました!」
ストロボ撮影しているにシャッター速度を変えても露出は変わらんぞ
人ごとだと、めちゃ笑っちゃいますが自分の立場がカメラマンだと考えるとイラっとしますよね。
でも、どのカメラマンも注意するとアシスタントがすぐにやめちゃうから怒らないそうです。
難しいところですが、注意しないというのはダメだと思うのですが……
NAOVICのアシスタントは?
ぼくのメインアシスタントは、レタッチの女の子にお願いしています。
本職のアシスタントはいません。
なぜかというと、ぼくは広告代理店に所属しているので、しっかりとした会社組織なんですよ。
もちろん広告スタジオも会社組織のところが多いですが、零細企業なので入社、退職の融通がきくんですね。
うちの場合は組織が大きいのでルールが多くて、入社、退職が面倒。
だったら、いらないというのが一番大きな理由です。
外部のカメラマンアシスタントを使うときもあるけど、はっきり言ってレベルは大して変わりません。
優秀なアシスタントなら別ですけど、そうでなければ誰でもいいです。
誰でもいいと言っても、最低限のことは教えた誰でもですけどね。
本当の想い
カメラマンアシスタントはダメみたいな話をしてきましたが、本当は応援したいと思っているんですよ。
ぼくも同じ道を通ってカメラマンになったので苦労はよくわかります。
だから絶滅危惧種にしないよう、もっと環境づくりをしなければと思っています。
今の社会では、すぐトライすることが大事で修行的なものは不必要という考え方が広まってます。
確かに、そういう分野もあると思いますが、コマーシャルカメラマンというのは下積みなしでは絶対に無理です。
作家のように自分の作風で仕事ができれば別ですが、広告は被写体が多様で大きなお金が動きます。
だから、どんな被写体でも、どんな状況でも対応できる経験と知識が必要になるのです。
「修行が不必要=努力が不必要」ではないと言うことを伝えたいです。
コマーシャルカメラマンになりたいけど、スタジオで修行するのがいやだから、自分でやるという人がいても否定しません。
だけど、修行する以上に努力しないとコマーシャルカメラマンにはなれないのです。
SNSでバズって、広告の仕事をしたとしても数年後には、ほとんどいなくなっています。
これがリアルなコマーシャルカメラマンの世界なんです。