大きな撮影ではフリーのカメラマンアシスタントをお願いします。
たくさんのカメアシに仕事をお願いしましたが、必要なアシスタント道具を持っていないカメアシが多いんですよね。
ぼくはアシスタント時代、広告写真スタジオに勤務していたのでアシスタント道具というのは絶対的なものなんです。
なのでアシスタント道具が足りていないということは考えられません。
でもフリーのカメアシはアシスタント道具が足りていないんですよね。
その事に気づいてからはトラブルになる前に「何を持ってきた?」って聞くようにしています。
カメラマンアシスタントと道具
カメラマンアシスタントとは名前の通り、撮影のアシスタントをしてくれる人です。
その為、アシスタントに必要な道具というものがあります。
でも、その必要な道具というものを満足に用意できていないんですよね。
写真を撮れないからなのか、それともカメラマンアシスタントはそういうものなのか。
でもフォトグラファーに付いているアシスタントは、そんな事は無いはずなのでスタジオ経験が少ないのかもしれないです。
アシスタント道具だけが全てではありませんが、フォトグラファーはアシスタントの持ち物をみて、どの程度できるのかを判断しています。
だからこそ、しっかりと仕事をしたいカメラマンアシスタントには必要なアシスタント道具とその使い方を理解してください。
逆に言うと、それさえできていれば、第一段階はクリアできている訳です。
カメラマンアシスタントとしてのまだまだだなと思っている人は必要な道具と簡単な使い方を紹介していくので参考にしてくださいね。
アシスタント道具 Lv.1
アシスタント道具としてこれは最低、持っていて欲しいものを紹介します。
筆記用具
特に説明はしませんがボールペン、シャープペン、油性マジック、メモ帳は最低限、必要です。
ハサミ
撮影では黒ケント紙などの紙などを切る事が多いです。
細かく、綺麗に切る事が要求されるので切りやすいハサミが好ましいですね。
カッター
背景紙やトレペ、アートレなどを切ります。
これらのものはハサミでは切りにくい為にカッターを使用します。
特にトレペなどはキレ味が悪いカッターでは破れ易くなるので常に刃を新しくしておいてください。
トレペをうまく切れないと「素人か」って思われますよ。
白パーマセル/黒パーマセル
用途によって白と黒を使い分けます。
粘着力もそれ程、強く無いのでカメラやレンズに貼ったりする事もあります。
どちらの色も汎用性が高く様々な局面で使用できるので絶対に必要なものの一つです。
使用例ですが白パーマセルはホワイトの背景紙の破れを直したり、白バックでの切抜撮影では黒いスタンドに貼る事もあります。
その他、トップライト用のディヒューザーを壁に止めるためや窓をトレペでつぶす時にも貼ったりしますね。
黒パーマセルは黒ケント紙を加工する為やレンズ前に貼って生の光をカットする為に使用したりします。
ピントリングやズームリングを動かしたく無い時にレンズに直接、貼ったりカメラボディにUSBなどのケーブルをつけた際、抜けないように補強したりもします。
養生テープ
背景紙を止めたり、機材の梱包など単価が安いので多量に使う場合に使用します。
粘着がそれ程、強力ではないの布背景の埃をとる時にも使いやすいです。
ブロアー/レンズクリーニングペーパー
ロケではレンズが砂埃や水滴で汚れる事がよくあります。
レンズの汚れは撮影に悪影響を与えるので現場ですぐに対処します。
まず、ブロアーで埃をとばして、レンズクリーニングペーパーで拭き上げます。
間違っても埃をとばさず、拭き上げることは絶対、NGですよ。
それをするとレンズのコーティングを傷つけることになり永久的に描写への悪影響が出てしまいます。
ロケ撮影の時は、このセットを忘れずに。
アシスタント道具 Lv.2
これを持ってきてくれてると、なかなかやるなと思いますね。
布ガムテープ
どうしても強力な粘着が必要な時や養生テープがつきにくい木材などで使用します。
普通、布ガムテープというと茶色を想像しますが白色か黒色を持ってきてると、なかなか分かっているアシスタントだなと評価しちゃいますね。
なぜ、白色と黒色なのかと疑問に持ちますか?
理由はパーマセルが白色と黒色である必要性と同じです。
両面テープ
商品撮影の際に写り込みをコントロールする為に黒ケント紙や色紙を用います。
そういう場合は普通にテープを貼ると商品に写るので両面テープで止めます。
その他の場面でも両面テープがあればということがあるんですよ。
意外に使わないけど必要な時に無いと困るのが両面テープです。
クリップ
撮影の時にクリップがあると使い勝手がいいので時短できます。
例えばカーテンをとめたいとかトレペを仮止めしたいとか、無くても何とかなるけど有ると超便利なのがクリップです。
水準器
最近のデジタルカメラにはデジタル水準器がついているのでカメラ側で使用する事はほぼありません。
使用するのは商品などの被写体側です。
商品などを正対して撮るのって結構、難しいんですよね。
なぜかと言うと少しでも斜めから見たりすると商品などが変形してしまい、使えない写真になるからです。
建物の床は完璧に水準がとれていると思いますか?
取れていると答える人の方が多いと思いますが実際は水準がとれていない事が多いです。
そんな時に水準器があると確認できるんですね。
無ければ無いなりに合わせますが水準器があると合わせる時間が劇的に短くなります。
アシスタント道具 Lv.3
これを持っていれば、もうアシスタント様と呼ばさせていただきます。
露出計
ストロボで撮影する時には必ず必要になるものです。
全体的なライティングのイメージに決めてストロボを1灯づつ露出計で明るさを計ります。
計りながら強さを調整し、最初のイメージに合わせてライティングを作り上げます。
ロケでもポスターなどの大きな媒体になる場合は繊細なライティングが必要になるので露出計を使用し、細かく明るさをチェックします。
もちろん、フォトグラファーも自分の露出計を持っているのですが、カメラアシスタントが持ってくれているとカメラから離れなくても指示して露出をチェックできます。
撮影現場は忙しいんですよ。
そんな時、露出を見てもらえると被写体に集中できるので本当に助かります。
メジャー(コンベックス)
建築の室内撮影でカメラの高さを一定にしなければならない場合やどうしても三脚やライトスタンドの高さを変えた後、元に戻さなければならない事があります。
そういう時は三脚やライトスタンドの高さを測りメモして、後で戻す際に間違いがないようにします。
これも無ければ無いなりに撮影ができますが、メジャー(コンベックス)があるだけで絶対的な復元性があるので安心して撮影に集中できます。
白手袋
商品撮影などでは直接、素手で触ると指紋がついてしまいます。
撮影に悪影響が出るものや高価な物で取り扱いに注意しなければ特に危険です。
その際、指紋や汗など手の汚れをつけないようにする為に使用します。
ハレ切り
この言葉は一般的では無いです。
ただ経験上、どこのスタジオでも通用したので撮影業界であれば全国的に問題なく伝わると思います。
ハレ切りというのはレンズに直接、光を入れないために使用する黒い紙などをさします。
直接、レンズに光が入ってしまうと描写が甘くなる事があるので光が入らないようにレンズ前に黒い紙などを入れて直射光をカットします。
他の使い方だとロケだと太陽の光が強く明るい為、カメラ本体液晶のプレビューが見にくくなります。
そんな時、ハレ切りで直射光をカットしてくれると「スゲェーじゃん」となるわけです。
カメラマンアシスタントを育てる計画
今回、なぜカメラマンアシスタント道具を取り上げたかというと、これからカメラマンアシスタントを育てる計画をスタートさせます。
ジャンルとしては、ぼくはコマーシャルフォトグラファーなので広告系です。
ただ広告系は企業や代理店などのプロを相手に仕事をしなければならないので覚える事も多く、難易度も高いです。
若い人たちが夢を持ってフォトグラファーになろうと入ってきたのに、どんどん辞めていくんですね。
続けることさえできればフォトグラファーになれるのに。
それが叶わない現状を見て、何か貢献できたらと思いカメラマンアシスタントを育てる計画をスタートさせます。
写真が大好きな人、センスのある人が写真を続ける事ができない今を変えたい。
全力で頑張りますよ。